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沖縄空手|少林寺流斯道の舘

昇段昇級審査講評

-鍛錬の成果を確信し、さらに研鑽を積もう-

少林寺流空手道 親川仁志


少林寺流空手研究会の夏季研修と同時に行われた昇段昇級審査に61人がチャレンジした。
ごく簡単にその出来栄えを批評し、成果と課題を述べる。
型の審査基準には、正しい呼吸法、力、スピード、タイミング、バランス及び「極」などがある。
すなわち、心(呼吸)の乱れなく、正確な集中力(着眼)で、
よどみのない「足運び」と緩急自在の技で、流派の「正しい型」を演ずることが重要と考える。
全体として今回は、前回の昇段昇級審査に比べ、
着眼、力の使い方、バランス、スピード、正しい呼吸方等が発揮され、
くり出される技には、相当眼を見張るものがあった。
審査会に向けての努力のあとがうかがえました。
また、発揮された技といい、エントリーした人数といい、
鍛錬の成果と少林寺流空手道研究会本部の発展を確信するものであった。
一方では、あがって実力を出せず、不本意な結果に悔しさ抱いているものもあると思う。
限られた時間と場面で、日頃の成果を発揮できる「精神力」を養うことが今後の課題となろう。
併せて他の審査委員の講評も記しておくが、
親川千武館長は、「型はくずれていない、みんな立派だ」と述べ、各自の努力を讃えた。
少林寺流の型の基本をしっかり身につけて演武することや、
型への理解に努めていることが感じられた。
日頃より宗家仲里常延先生が強調する「楷書の空手」を体得しようとする気槻も強く感じられたと思う。
富盛養心館館長は、「何よりも初段が大事」と空手を修行する者の心として、
初志を貫くことを強調している。
すなわち、どの称号段位も、初段受検からすべてが始まる。
どの上級段位の受検よりも貴重な経験になる。
初心を忘れず稽古に励んでほしいと述べている。
また、空手をはじめて間もない者が多くの型を演じて、
少林寺流を代表する型「クーサンクー」で50点取るよりも、
基本型の「アーナンクー」、「セーサン」の型を演じて80点を取ることが素晴らしい。
これは、反復練習による型の体得と初心者の旺盛な学習意欲の間に、
指導上の問題として二面性のあることはいうまでもないが、
氏は型の修得方法として、一つ一つの型に時間をかけて、
段階的に体得させることを強調している。
空手道をはじめ、剣道、柔道、茶道、華道などあらゆる道のつくものは、
型から入ることにより心を得るという。
型は伊達に生まれたものでなく時の先人たちが試行錯誤を重ねて練り上げてできた知恵の集約とも言う。
「型の分解」において、合理的解釈が得られず、疑問を投げかける者も少なくない。
しかし、最初は疑問だらけで面倒にみえても、修得していくと「合理性」を感ずる瞬間があるのである。このことは「型」と「型の分解」の問題として取り上げておきたい。
限られた時間で、そのすべてを体現することは不可能である。
各地で研鑽を積んで、それぞれの疑問を解き明かす「何か」をつかみ取ってほしいものである。
最後に今回の夏季研修の企画立案にご尽力下さった熊谷登師範、澤口幸人師範、韮澤峰雄師範へ心から感謝するとともに、会員各位へ更なる斯道の精進を訴え、次回の昇段昇級審査会での活躍に期待するものである。

1998年8月23日


2008年6月14日 23:38 upload

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